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揚げたてのトンカツ

揚げたてのトンカツ

こんにちは、言語聴覚士の池田です。

先日、担当させていただいている失語のご利用者様とのフリートークでAIの話になりました。
その中で、平たく言えば「飲み込まれにくいのが専門職」という流れに。

1年弱前でしょうか、AIが発展してもなくならない職業一覧なるものがでましたね。
なくならない職業として、我々セラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)も挙げられていましたが、その他にも医師、鍼灸師、心理士、ケアマネジャー、教員など、“人の感情をも理解し対応しなければならない繊細さが求められる職業”が多く挙がっていました。

そもそも、脳科学の発展に伴って進化しているAIです。脳科学自体が解明しきれていないので、抽象的なものを扱えるようになるのはもう少し先になるでしょう。


直接嚥下訓練の幅を広げてきている胃瘻のご利用者様が、
「もう歳だし、そもそもそんなに食べられないこともわかってる。だからこそ、良いものを少しずつでもいいから楽しめるようにはなりたいんだよ。」
と仰いました。

胃瘻の完全な離脱は、必要十分な栄養ルートの確保といった点では難しい。でも、日々の訓練にこつこつと取り組まれたこの方は、“私となら食べられる”ものが増えてきたのです。

リハビリを開始してからのそもそもの目標は、その方の初冬の誕生日にトンカツを食べることでしたが、実は先日スーパーのお惣菜コーナーにあるコロッケまでトライできちゃいました。

この、「スーパーのお惣菜コーナーにある」コロッケをこのくらいの大きさにして、「ソースで」食べる。
その柔らかさ、しっとり感、わかるでしょうか。
「スーパーのお惣菜コーナーにある」やつです。
感覚的な話になりますが、ここまできたら「例えばここの、このトンカツの揚げたてを、この部位ならこの一口量で塩でもいけるな」とか、そんなことをはかっているわけです。


揚げたての熱さを、いかにも煩わしそうに、なのににこやかに豪快に口にする、ひとくち目のあの、ざくっとした歯ごたえ。でも、こんなに厚みがあるのに嚙み切れる。
鼻から抜ける豚肉の甘い香りと、衣の香ばしい香り。
熱々の肉の柔らかさと衣のサクサク感を、口の中であわてて一体にするときのあの至福。

ソースをかけたキャベツをひとくちと、もう少しかきこんで、次はロースの脂をひとくちで。
ソースもいいけど、次は塩でも。
少しソースもついたごはん。大盛りにしたほうがよかったかな……

…みたいな、この流れを味わいたいんですよね、ひとくち、いや、ふたくちでいいから。

この感じを、いかに差異なく利用者様と共有できるか。
そして、その流れのどの部分をどうすれば、この感じを味わえるか。

機械にゃ到底、こんなリハビリは無理だろな、ふふふ……とか1人でにやけながら(ものすごいメカオンチなので)、今日もバイクで駆け抜けるわけです。

●Instagramーst.m.ikedaー●