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言葉だけのことばより何倍も
こんにちは、言語聴覚士の池田です。
今日は、いつか理学療法士の河部に教えてもらってから、ずーーっと気になっていたカフェのご紹介です。
スープとスイーツのカフェ『Social Cafe Sign with Me』(http://signwithme.in/)の公用語は日本手話と書記日本語（筆談）。
言語聴覚士だからといって、手話が使える訳ではなく……恥ずかしながら、私にとっては初めての試み。
「ありがとう」だけきちんと覚えて、行ってきました。
この日は東京大学の赤門に近い、本郷店へ。
店内ではせめてメニューを指差せばいいのに、緊張からか妙な手振りになる私。
今月から発売になった「チキンタンドリートムヤムクン」のスープをやっと選んで席につきました。
スープが運ばれてくるまでに、ふと思ってレシートの裏に、写真撮影やブログ掲載などの許可をいただけないか、ペンでさっと書き、運んでくださったスタッフに、名刺と一緒にお渡ししました。
うんうんと頷いて、笑顔でオーケーサインを作って示してくださった時に、ようやく覚えた「ありがとう」を言えて、なんだかすごくほっとした気がしました。
スープはとっても美味しかったです！
酸っぱくて辛いのはそもそも私の大好物なのですが、程よくて飽きもこず、どんどんいただけました。チキンも柔らかくてボリュームがあり、大満足。（もっと食べたい方にはセットメニューもありましたよ！）
食後落ち着いてからはこれまた気になっていた「宇治抹茶ショコラバニラ添え」を追加。
休日には居心地のいいカフェで好きな小説をゆっくり読むのが私の最高の贅沢。美味しいスイーツまでいただきながら、久しぶりの時間でした。
お客さんの話す楽しげな声だけが聞こえる空間。そして店員さんの笑顔や丁寧なお気遣いに、心はとても緩みました。
私はもともとぺらぺらと喋る方ではないのですが、音声言語を主としたコミュニケーションそのものを生業にしているためか、忘れていることがたくさんあるなぁと思いました。
音に頼りすぎているというか、甘えているというか、そんな感覚に近いものでしょうか。
ちょっと横道ですが、私の大好きな作家よしもとばななさんは約20年ほど前に4冊の自選選集を出版されています。書き下ろしの『バブーシュカ』という作品にある、話さない静かさ独特の、優しく流れる調和のようなもの。私の印象では、一瞬でそこに引き寄せられました。
笑顔、優しい手付き、丁寧な仕草。
静かな、やわらかな時間。穏やかな空間。
大変な歴史があることは、わかっています。それでもここにはこんな世界がある。同じものも、こんなに違って見える。それは事実なのです。
ちなみに、今日2月14日はバレンタインデーですね。
キャッチフレーズなどを巡っては話題にもなりましたが。
皆さまも大切な人、特別な人と、こんなやわらかい時間を共有してみてはいかがでしょうか。
目を合わせて、照れたり笑ったり、手を優しく繋いで、強く繋いで。
チョコレートや愛の言葉は、どんなものでもそれからにしましょうよ。
●Instagramーst.m.ikedaーhttps://www.instagram.com/st.m.ikeda/●
