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贈りもの
こんにちは、言語聴覚士の池田です。
先日お伺いした先でのこと。
アラサー、アラフォーのように表現するならアラハン…でしょうか。
いつもにこにこと私の訪問を待っていてくださるその女性は、その日もいそいそといつもの席につき、「待ってたの!」と迎えてくださいました。
なにせ、アラハンです。
本当は構音訓練がメインなのですが、高齢のご夫婦でお2人のコミュニケーションも減っています。
私が訪問するときくらいは、とご主人を加えた3人での日常会話や、座位での簡単な体操をしたり、時にはご主人と私で奥様の足を片足ずつマッサージしたりもします。
この日もそんなことをあれこれわいわいとやっていたら、
「あなたにはこれをあげる」
と突然紙を差し出されました。みると、与謝野晶子と高浜虚子の句です。
もともと書に長けた方ですが、立派な紙に書いてあって、大事にとっておいてあったもののようでした。
ご自分のものにこだわりがあり、使わないチラシ1枚でも悩みに悩んで手元に置いてしまうほどのこの方。驚くと同時に、とても嬉しくなりました。
本当に、そのお気持ちが。
セラピストであるところの私たちには、すぐに誰かを治せる魔法が使えるわけでもありません。誰でも間違いなく心掛けてできることといったら、丁寧な挨拶と、利用者様を笑顔にさせることや楽しいと思っていただくこと。
そのくらいです。
なのに、こちらが笑顔にさせられ、楽しいと思え、いろんなことを学ばせていただくんですよねぇ。いつもいつも。
ありがとうございます。大切にします。
※写真は利用者様ご本人、ご主人、ケアマネージャー様にご快諾いただき、掲載させていただきます。いつもありがとうございます!