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できる連携、できない連携?②
こんにちは、言語聴覚士の池田です。
精神的に参ってしまったそのご利用者様が全てのサービスを突然シャットアウトしてしまってから、1ヶ月が経とうとしていました。
急遽開かれることになったサービス担当者会議…その場所は外。住宅街の隙間の、ちょっとした空き地でした。
相談のあと、往診に入れそうならそのままお伺いできるように、です。
日中とはいえ、この日はまだ真冬の厳しい寒さの日でした。
ご家族様と担当ケアマネージャー、往診医、看護師、そして私。こんなに真剣で、ぴりぴりした担当者会議もそうありません。
しかも外。全員、寒さに声も上擦っているのですが、家で見えないものと戦っているご利用者様を思うと、冷え切った手を擦り合わせることも憚られるほどでした。
みんな同じ気持ちなんだな、と思ったのは、往診医が思わずポケットに入れた手を、「あっ」という顔で慌てて出して腕を組んだ時でした。
それでもこの日の往診はかないませんでした。
でも、スタッフはみんな好きだと言ってくださるその方。
私たちが立てた計画は、「医療職であるということをやめる」というものでした。
それぞれの立場にあってこの決断で足並みを揃えることは、相当なことでした。
その後まず1週間をかけて各スタッフとご家族様で連絡を取り合いました。そして改めて担当ケアマネが訪問し、その後数日を空けて私が訪問し、医師の往診につなげる。
私の訪問の日、バイクの私はオフを装って、私服に着替えて、荷物を置いていきました。
その方は私を、とても驚きながらも久しぶり!といった感じで受け入れてくださいました。
コーヒーを入れ、席をすすめてくださる以前と変わらない対応のその方。
そこからはかなり時間をかけてお話しました。いろいろなご不安や、各サービスへの思いなど、たくさんのことを。
仕事でもいいけど、やっぱり人として向き合ってほしい。いろんなことをやってみたい。生きていることを楽しみたい。そんなことを、たくさん。
改めて、私も考えさせられました。自分だったら、自分の家族だったら。
訪問後は各所に連絡し、報告。その翌日は早速往診も入る事ができました。先生は「友達感覚でお伺いしたから、バイタルも測ってないよ!笑」とのこと。
その時に必要なことを、必要な分、必要なところまでパシッと提供できるというのは、各立場からの視点が必要不可欠だと改めて強く思いました。
そしてそれを共有できること。
今回は各所からのどんなささやかな情報も伝え合い、動向をまめに把握することができたために再開できた好例だったと思っています。
今度はまたそれぞれがどう工夫しようかと相談しているところです。どんどん関わり方の幅が広がっていっています。
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