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ぼちぼち訪問看護 ~回想録~ その① 笑顔の贈り物
はじめまして。
総合リハビリ訪問看護ステーション、看護部門・副管理者の大塚かおりです。
私が看護師としてまだまだ駆け出しの頃、訪問看護の世界に飛び込んでから、もう20年余り経ちました。
そして、今も訪問看護師としての日々を送っています。
在宅医療はこの20年で目覚ましく発展し、訪問看護も認知されるようになりました。
我が職場でも、若いスタッフが増え頼もしい限りです。
旬の現場の熱い想いをお届けするのは若いスタッフに任せ、私は、「昔もあって、今も変わらないもの」「今までも、これからも大切にしたいもの」そんな日々の想いを、ぼちぼちお届けできたらと思います。
私が初めて担当したお子さん、Sちゃんは、生まれつきの心臓の病気で上手にミルクが飲めず、鼻から胃まで通した管でミルクを注入していました。
身体が小さく育ちもゆっくりですから、声をかけたりあやしたりしても、いつも知らんぷり。
ある日、Sちゃんは私に向かって、にっこりと笑ってくれるようになりました。
この仕事に携わっていると、
「人のために大変なお仕事ですね」
「こうやって看護師さんに来てもらって、本当に助かります」
などと、お言葉をいただくことがあります。
在宅療養される方々を支える事を仕事としている私ではありますが、私に向けられる笑顔は、「実は、支えられているのは私なんだ」と実感する瞬間でもあります。
訪問のたび、私に笑顔の贈り物を届けてくれたSちゃんは、成人を迎えられました。
今、お伺いしているKちゃん。
先日、久しぶりに訪問したのですが、帰り間際に笑顔のプレゼントを1つ私にくれました。
私はほっこりした気持ちを胸に、次のお宅へバイクを走らせます。