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アイスクリームで嚥下訓練
こんにちは、言語聴覚士の池田です。
連日暑い日が続いていますね。
弊社でも夏の福利厚生、アイスクリームの支給(!)がはじまっています。このうだるように暑い中調達に行ってくださる事務さん…ありがたいことです。
そんなアイスクリーム、言語聴覚士が直接嚥下訓練(実際に食べ物を使って行う嚥下訓練)を行うときにも選ばれることがあります。
しかし訓練の時にはどんなものでも良い訳ではなく、対象の方によってはアイスクリーム1つ選ぶのにも注意が必要です。
注目すべきは、アイスクリームの種類。
同じように見えますが、実は乳成分の量によって種類別【アイスクリーム】【アイスミルク】【ラクトアイス】【氷菓】の4つに分類されています。
乳成分の量が多い順に並べていますが、アイスクリームが最も乳成分を多く含んでおり、氷菓では乳固形分はほとんどありません。
問題は口腔内で溶けたときの性状。
【種類別アイスクリーム】ではまったりとゆるく溶け出すのに対し、【種類別アイスミルク】などではさらりと流れてしまい、危険な場合があります。
さらに訓練に使用する場合には、果肉やナッツなどが入っていないものを指定させていただきます。
バニラ、抹茶、チョコレート、ストロベリーなどのオーソドックスな味が多くなるでしょうか。それでも訓練が楽しんで行えるなら、お互いに貴重な時間なのです。
もちろん、氷菓が一切味わえないわけではありません。
溶けた氷菓を口腔用綿棒にひたし、ご家庭の冷凍庫で保管していただき、訓練時にその味付き冷凍綿棒で口腔内を刺激して随意嚥下を促す練習もできます。
今回はアイスクリームでの一例のご紹介ですが、直接嚥下訓練には他にもいろいろなものを使用します。
訪問リハビリの直接嚥下訓練では嗜好だけではなく、既往歴や体調などに応じて使用食品を検討していますので、練習内容については言語聴覚士にご相談くださいね。