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軌跡、雑記。
こんにちは、言語聴覚士の池田です。
恥をしのんで書きますが…
実は、ここ総合リハビリ研究所に入職して初めて、小児を担当させていただきはじめた私。
これまでの超ド級急性期病院では小児担当経験は全くなく、稀に頭部外傷や脳腫瘍などのケースがあっても、なんとなーく担当するスタッフは決まっていたものでした。
入職した時は、教科書レベルのこの知識でどう対応すればいいのかわからず……というよりも、子どもとどう接すればいいのか、そんなことさえわかりませんでした。
それを正直にお伝えしても、「うちの子でぜひ経験を積んでください」と言ってくださるご家族に助けられ、怯えながらもはじめられたのだなぁと振り返っています。
それはもう、インターネットやむかーし使った教科書を漁ってみたり、子どもに人気のキャラクターやアニメ、ディズニーに注意を払ってみたり、帰りにデパートのおもちゃ売場で放心してみたり、自分なりに模索し続けてきましたが……
最近になってふと、「あれ、こういうことなのかな?」と身体が反応する経験が多くなってきました。ふと思いつくものがあり、それを実行に移せたのです。
しかしそれは決して、自分一人で生み出したものではありませんでした。
当初何度も同行させていただいた先輩セラピストを観察し、あるいは何度も相談に乗っていただき、盗んだ技です。やっと、先輩のヒントが自分の経験にリンクしてきたのです。
何事も経験、それは確かです。それも確実に意味のある経験でなければ意味をなさない、そうも思い込んでいました。 でも、誠実に対応しながら自分なりの仮定と結論を繰り返していけば、それはそれできちんと道が続いていくのだとも実感したのです。
「先生のこと、大好きなんだもんね」とお母様が間に入ってくださり、その子がにっこりすることが私にとって、最上のご褒美だと思えるようになるなんて、想像もしていませんでした。
今でも、私が担当じゃなかったらどんなによかっただろう、先輩ならどんなにかうまくやってくれただろう、と思わない日はありません。でも今では、私が担当させていただけてよかった、という気持ちもちゃんと見えるまでに、私も変われたようです。
小児担当経験の浅いセラピストは、たくさんいることでしょう。そして、なかなか担当に踏み切れない方も、私のようにいるのだと思います。
でもなんとかなるものです。ここにも頼れる先輩がたくさんいて、気付かないうちにたくさんのことを私に積んでくださっていたわけですから。
その子も、ご家族様も、自分も、お手本の先輩だって、みーんな一緒に進んでいければいいんですよね。今日はそんなことを考えるきっかけがありましたので、雑記まで。