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鍼灸マッサージ部 伝達講習会 「骨折について」

鍼灸マッサージ部 伝達講習会 「骨折について」

こんにちは、鍼灸マッサージ師、柔道整復師の柴田です。

先週11月3日(金)は文化の日で祝日でした。
3連休でお出かけされた方も多かったことと思います。
当社の訪問鍼灸マッサージ部門は、祝日も訪問しておりますので
業務終了後に、私が講師となり研修会を行いました。

テーマは「骨折について」です。

■骨の解剖生理学 ■骨折外傷の発症メカニズム
■捻挫などの軟部損傷との違い ■骨折の固有症状について
■徒手触診検査と画像診断それそれの長所と短所 
■脊椎圧迫骨折の発症要因と回復ステージにおける動作介助と
 機能訓練実施時のリスク管理

などを伝達させて頂きました。

通常ですと、訪問マッサージの同意書を取得している段階で
すでにドクターの診断も出ている状態で施術開始となります。

ですので、あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師が『骨折』や『捻挫』
を鑑別することや診立てることは、ほとんどありません。 

しかし、高齢者である御利用者様がバランスを崩して転倒する
リスクは、いつも抱えています。私達が訪問先に到着しましたら、
すでにお部屋のベッドで御利用者様が転倒していたという可能性も
充分考えられます。

その際に、発生した外傷に対して、画像検査などが出来ない環境下
では『視診』・『聴診』・『触診』・『徒手検査』しか頼るものは
ないので、セラピストが適切に評価し、素早く応急処置を施し、
然るべきドクターへ受診して頂きます。
(医療機関と併設してある施設などでは、早急にドクターへ
連絡対応します)

『骨折』と『捻挫』の違いは分かっているようで、病態を定義して
考えた時に、セラピストが明確に把握する事で、外傷発生時に
適切な鑑別や応急処置を行うことができます。

定義が違うということは、当然ですが、それぞれで出現する症状も
違います。骨折と捻挫では圧痛部位が違いますし、異常可動性も
骨折では骨に出現する場合がありますが、捻挫では関節に出現
するなどの臨床所見の違いがあるので、応急処置やリスク管理、
予後も変わってきます。

また、骨折の診察時に、まずはレントゲン検査を受けて診察をする
事が多いのですが、レントゲンだけでは鑑別ができない骨折や
骨挫傷というものがあります。ですので、MRI検査やCT検査で
の精密検査を実施する事で骨折を鑑別診断できる場合も多いです。

そして、受傷直後では骨折線が判断できなくて打撲と診断されても
仮骨形成とともに受傷後1~2週間ほどで再度のレントゲン検査で
骨折線が明瞭に写る場合もあり、初診時と診断名が変わり
固定処置、施術内容、機能訓練も全て変わってしまうケースも
あります。

急性外傷発生時にドクターの診断につなげるまでの応急処置以外に
も、訪問開始後に、ドクターに鑑別診断を再度お願いするなど
様々なケースも想定しなければなりません。

日々の訪問時に、必要に応じて私達の『視診』・『聴診』・
『触診』・『徒手検査』などを積極的に取り入れる事で、
より正確な情報収集を行い、最適な応急処置やリスク管理を
実施していく事が大切です。

また、高齢者で多い4大骨折には、
①大腿骨頚部骨折 ②上腕骨近位端骨折
③橈骨遠位端骨折 ④脊椎圧迫骨折
などがありますが、
今回は、『脊椎圧迫骨折』を取り上げました。

「脊椎圧迫骨折の背景にある骨粗鬆症との関連性での発症要因」と
「受傷後の回復ステージにおける動作介助と能訓練実施時の
 リスク管理など」を伝達させて頂きました。

今回は、骨粗鬆症の方に推奨する栄養摂取や病院で多く処方される
内服薬や自己注射などの話まで進めませんでしたので、また機会を
作って伝達したいと思います。

次回は、11月17日(金)に
『大腿骨頚部骨折について』の研修会を行う予定です。